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ショパンの雨だれの難易度は?ピアノで弾けるようになりたい人へのアドバイス

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「ショパンの雨だれをピアノで弾いてみたいけれど、難易度はどれくらい?」

「ショパンの雨だれを弾けるようになりたいけれど、どんなところに注意して練習すればいい?」

などという疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、ショパンの雨だれを弾けるようになりたい人に向けてショパンの雨だれの難易度や練習のコツなどを詳しく解説します。

この記事を書いた人

野村 紀水野村 紀水(のむらきみ)

ピアノ弾き語り演奏家 音楽講師

詳細プロフィール

雨だれの演奏動画

ショパンの雨だれは、24のプレリュード(前奏曲集)の中でも特に有名な曲で、世界中で愛されている曲です。

「どんな曲だったか思い出せない」という方はこちらの演奏動画で聴いてみてください。

雨だれの難易度はE(上級)?

ショパンの雨だれの難易度は、全音ピアノピースによる難易度判定ではAからFの6段階のうちE(上級)になっています。

これは、同じショパンの「幻想即興曲」と同じ判定ですが、そこまで難しくはありません。

雨だれは「24のプレリュード(前奏曲集)」という曲集の中の一つですが、全音ピアノピースでは、曲集全体で難易度を判定する仕組みになっているのでE判定になっているのです。

雨だれは「24のプレリュード(前奏曲集)」の中では難易度が一番低いです。

♭と#がたくさんついていて、譜読みしにくいのは確かですが、ゆっくり弾けば初見もできる曲です。

♭と#を鑑みて、中級の「C」判定程度という感じでしょうか。

テンポも落ち着いており、A,B,Aという三部形式からなっています。

Aの中で、同じフレーズを繰り返し、Bの中でも、大きく繰り返してから、次の要素に入ります。そして、またAに戻るのです。

初めてピアノを弾く方でも、十分チャレンジできる曲だと思います。発表会など、披露する日程を定めて、意欲的に練習しましょう。

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特に難しいポイント

音の持つ意味を理解して表現する1


まずは、冒頭のメロディーは、遠くから音が聞こえてくるような雰囲気を出します。
あまりドラマティックになり過ぎないように注意して、メロディーの移り変わりを表現しましょう。
この曲の最大のポイント、左手の常に出てくる「ラ♭」は、雨の音を表現しているものです。

はじめは、あまり重たくならないように注意します。雨の音だけが聞こえるところ、反対に少なくなっているところ、激しくなっているところを汲み取って、情景を表現しましょう。

音の持つ意味を理解して表現する2

何度も同じメロディーが出てきますが、「和音が違う部分」に注視し、それが何を表しているのか考えてみましょう。

そうすることで、ただ繰り返しの演奏ではなく、意味を持った演奏になっていく事と思います。


具体的な個所は、冒頭「ファ~レラ~」と同じメロディーが5小節目、20小節目、そして24小節目に出てきます。

それぞれの小節の左手に注目です。4拍目はどうなっているでしょうか。1小節目と20小節目、5小節目と24小節目が、それぞれ同じになっています。たった1音の違いで、どう聞こえるかを味わってほしい箇所です。

音の持つ意味を理解して表現する3


40小節目の2分音符は、何を表しているのでしょう。「鐘」を表しているという考えが多いように思いますが、「雷」をあらわしているのではないか、「人生に絶望している情景」を表しているのではないか等の考えもあるようです。

右手の2分音符の和声が3度から4度になり、それを41小節目でも繰り返されている流れの音が、私には、「ガランガラン」と鐘がなっている音に聞こえます。8分音符で刻まれる雨の音が、一層、2分音符の存在感を出しているように感じます。

明るい音と悲しい音の表現


10小節目で明るい感じがしたと思ったら、すぐに11小節目の冷たい悲しい音が追いかけてきます。14小節目の明るい音、15小節目の悲しい音、そして、16小節目と17小節目も同様です。

短い生涯だったショパンが、死の淵をさまよう生活の中で、自分の置かれた状況に反して、それでも見えるきれいな景色や、これまでの思い出が入り混じっている、そんな切ないシーンに思えてなりません。

弾き方のテクニックが難しいポイント


4小節目や23小節目などに出てくる7連符、15小節目や17小節目に出てくる装飾音符、そして、79小節目に出てくる10連符は、音使いがショパン独特の表現です。

ここは、鍵盤を底までしっかり弾くのではなく、半分くらいのタッチで軽やかに、そして、たっぷりと弾きます。


28小節目からは、あやしい雲行きの雰囲気です。それまで、雨音を表していた音が、一転、死の足音ともいうべき連打へと変貌します。左手の2音、右手の1音のたった3音で、このような不気味な様子を表現しています。

Sotto voce(ひそひそと)ですが、暗さも表現しなければならない箇所です。暗い音は、指を鍵盤から離さないようにして、しかしながら、もたつかないように注意しながら弾きます。39小節目くらいからは、鍵盤から指を離していき、40小節目のフォルテッシモに向かいます。

75小節目の最後の4音で、次からの冒頭と同じメロディーの世界に引き戻すような雰囲気を作らなければなりません。

79小節目では、smorzand(だんだん静まって)の中で、途中に突如フォルテの指示があり、音量としては急激な変化であるが、直前にはslentand(だんだんゆるやかに)もあることから、決して鈍い音ではなく重さのかかった丁寧な打鍵で響かせ、音響の広がりを感じることが大切です。

そして、81小節目の4拍目で、弱々しいながらも最後の希望の光が差して、穏やかに終わりを迎えます。

ペダルの踏み方

曲の世界観が途切れないために、ペダルの踏み替えを自然に行うことは大事なポイントです。ほんの少しだけ音を弾いてからペダルを離すことで、自然な踏みかえができるようにしましょう。

比較的易しい部分

繰り返しが多い曲なので、同じ部分が出てくると、ホッとすることと思います。冒頭は、20小節目から繰り返しますし、曲の終わりにも再び出てきます。また、28小節目からと、44小節目からも同じ部分です。

同じだからと言って、なぞるように繰り返し弾くわけではないですが、曲の背景を理解して、演奏の色付けを楽しんで欲しい箇所です。ゆったりとした曲調の中で、比較的ゆとりを持って表現できると思いますので、ぜひ細部まで仕上げて欲しいです。

上達のための練習ポイント

曲全体に表されている「ラ♭」のおとですが、これが雨を表しているということは、先にも記しました。初めは、この音を左手の小指で弾きますが、次第に右手で弾くようになります。

最後には、また左で弾きますが親指で押さえる箇所もあります。どの指で押さえても自然に聞こえるように、練習しましょう。

特に、26小節目は、同じ音が左手から右手に移り変わる箇所なので、注意が必要です。

番外編

私が「にくい演出だなあ」と思う部分は、やはり雨の音「ラ♭」についてで、同じ音なのに、調合を変えて表現するところです。

26小節目を境に、それまでフラットの調合だった変ニ長調からシャープのハ短調に変わります。「ラ♭」から「ソ♯」に変わるのです。どちらも同じ鍵盤を弾き続けることに変わりはないのですが、曲の雰囲気はガラッと変わるのです。

曲を弾く上で、作曲者が「この音にどんな思いを込めたのか」を考えることは重要です。
では、ショパンはどうして、「雨だれ」を作ったのでしょう。

J.S.バッハを尊敬していたショパンですが、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』のような曲集を作るために、それまでの華やかな世界から離れ、恋人とスペインのマヨルカ島に逃避行します。持病の結核が少しでも良くなるように、との思いもあったようです。

初めは別荘で過ごしていましたが、その時、地中海は雨期であったため、体調は悪化し、病気がうつるからと現地の人たちに追い出されてしまったのです。そして、カルトゥジオ修道院の庵室で生活することとなります。彼女が出かけている間に嵐になり、なかなか帰ってこない彼女を待つ時にできたのが、この「雨だれ」という曲です。
庵室で、死の淵をさまよいながらも、彼女を待つ間に聞こえた雨音が刻み込まれているのです。

もし、私がショパンと話せたなら、81小節目の4拍目からの9音で、「いったい何と言っていたのか、どんな希望が見えたのか」を聞いてみたいものです。今もあるマヨルカ島の修道院に立ってみたら、何か感じるものがあるのでしょうか。
そんな背景を想像することで、一音一音に想いが込められた演奏ができるようになり、聴いている人に伝わる音楽になっていくのだと思います。

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