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「ドビュッシーの月の光を弾いてみたいけれど、難易度はどれくらい?」
「ドビュッシーの月の光を弾けるようになりたいけれど、どんなところに注意して練習すればいい?」
などという疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、ドビュッシーの月の光を弾けるようになりたい人に向けてドビュッシーの月の光の難易度や練習のコツなどを詳しく解説します。
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この記事の目次
月の光の演奏動画(演奏者:辻井伸行)
月の光の難易度は?
ドビュッシーの月の光は、アラベスク、亜麻色の髪の乙女などとともに、ドビュッシーを代表する有名な作品の一つです。
全音ピアノピースによる難易度判定では、A~Fの6段階のうち、C(中級)判定になっています。
他のC判定の曲には、同じドビュッシーから『夢想』やエリック・サティの『3つのジムノペティ』がありますが、どちらもゆったりとしていて、符割りがわかりやすい楽譜です。
それと比べ、『月の光』は、テンポと拍の捉え方や中盤以降にあるアルペジオの指運びを考えるとD(中上級)判定か、もしくは、全体の和声の強弱による幻想的な表現を含めるとE(上級)判定でもいいのではないでしょうか。
ゆったりとしたテンポで始まる、曲の最初の部分は比較的シンプルなので、大人になってからピアノを始めた方でもトライできると思います。
しかし、特に中盤から後半にかけては非常にテクニカルな部分が含まれています。
8分の9拍子と見慣れない拍子なこともあり、譜読みの段階でくじけそうになる人も多いかもしれません。
今は、初心者用にアレンジされた楽譜も出版されていますので、どうしても難しい部分は、簡単アレンジを利用して、原曲の楽譜と組み合わせて演奏をしてみるのはいかがでしょうか。
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特に難しいポイント
ドビュッシーの世界観を表現する

冒頭は、休符から始まりますが、休符からもう音楽は始まっています。
また右手の小節の1拍目はタイになっているのが、14小節目まで続いています。こうすることで、「ドン」と始まるのではなく、「フワッ」と輪郭をぼんやりさせて、幻想的な雰囲気を作りだしています。
これがドビュッシーの世界観です。この休符やタイをしっかりと感じて演奏することが重要になってきます。
幻想的な和声の響き
指1本1本の強さが違い、繊細な音を表現します。
1番高い音はハッキリと、他の音は主張しすぎずに、添えるように弾くことで、フランス音楽らしい透明感のある響きを作りだします。
1番低い音の響きの中に、内声(1番低い音と1番高い音以外の音)が収まるように、自分の音の響きをよく聞きながら弾くことが重要です。
また、19小節目には、6連符が出てきます。6連符と見ただけで苦手意識を感じてしまうかもしれませんが、2分音符が3つ繋がっているだけです。
2連符と3連符が交互に繰り返し出てくることが、複雑に感じるところでもあります。この2連符と3連符の練習の仕方は、下の効率的な練習方法で紹介したいと思います。
テンポについては、ここではTempo rubato(テンポを揺らして)となっていますが、「自由なテンポで」というような意味合いです。
全体的に歌うようなメロディーですが、ためるように少しゆっくりにしたり、前のめりに少し早めたりするようなイメージです。心地良くルバートさせて、旋律の美しさを出しましょう。
流れるようなアルペジオ
ここで16分音符の連続登場です。
右手のメロディーを感じつつ、流れるような自然なアルペジオを表現することに苦戦する部分。ドビュッシーはピアノを演奏する際に、流れるようなアルペジオを多用します。彼は、これを用いることによって、音楽に水の流れや風の流れなど、自然界の動きを表現しています。
また、ここでも和声の響きが重要になり、幻想的な雰囲気に一層の深みを与えます。「ポロロ~ン」といったピアノらしい音の響きを味わえるところでもあり、1音1音を意識して出すのではなく、流れるような雰囲気を感じることがポイントになってきます。
ここからの部分が、この曲の最も難しい部分になってくると思いますが、というのも、ここでの右手は、①メロディー②内声③左手からのアルペジオを引き継ぐ、という3つの役割をもっています。
左手のアルペジオを自然と流れるように引き継ぎつつ、他の役割もこなさなければならない大変な部分になります。
ペダルの踏み方
この曲の雰囲気をより美しく表現するために、ペダルの使い方は重要になってきます。
ペダルの表記がある楽譜の場合は、基本的にペダルの表記のところで踏んだり、離したり、踏みかえたりします。しかし、表記通りではない踏み方もあります。
情景を表現するにあたって「もっとモワモワとした月夜を感じさせる雰囲気を出したい」と思った部分では、踏みかえない演奏者もいます。ペダル表記のない楽譜では、和音が変わる度に踏みかえていきますが、アルペジオのところでは、1つの和音と捉えて踏みかえることになります。
これは、ペダルの踏み方だけでなく、アルペジオを和音として捉えることで、フレーズを意識してメロディーを歌えるようになったり、指運びがスムーズになったりすることにも繋がります。
雰囲気が途切れてしまわないように、次のフレーズをほんの少し弾き始めたくらいのタイミングで踏みかえることが重要なポイントになってきます。
また、この曲は、ルバートさせることが多いため、その感覚をペダルにも反映させていくことが必要になります。
曲の最後では、ペダルによって音が伸びることで表現されていた世界観が、「ブチッ」と途切れてしまうことのないように、また、その後も余韻が残っているかのようにペダルを離すことがワンランク上の演奏に仕上げるポイントです。
比較的易しい部分
曲の冒頭部分は、『ドビュッシーの世界観を表現する』で難しいポイントとして紹介しましたが、符割りや指運びとしては比較的簡単で、スムーズに譜読みできると思います。
しかし、3小節目には、2連符が出てきて、さっそく戸惑うポイントかもしれませんね。8分の9拍子は、1小節に8分音符が9つ入るという意味ですが、ここでは、1小節を3拍に感じて練習する必要があります。
また、曲の終盤では、冒頭と同じ部分が再び登場します。知っている部分が再び出てくると、ホッとしますね。冒頭とは少し違う音が加わっているので、その変化を味わいながら情景に浸って、心地よく演奏出来たらいいと思います。
効率的な練習方法
メトロノームでしっかり練習
『月の光』のような曲でメトロノームを使うと聞いて、驚く方もいるかもしれませんね。最終的にはメトロノームは完全に卒業して、心地よくルバートさせなければならない曲ですが、譜読みの段階では、メトロノームは噓をつきません。
テンポ45くらいで、1小節を3拍分でカウントして弾けるように練習しましょう。
2連符と3連符の練習
『かき・りんご奏法』って聞いたことはありますか?
2連符は「かき」、3連符は「りんご」でリズムの練習をします。2連符は1拍に「かき」、3連符は1拍に「りんご」と入るように言う、というような具合です。
手をたたきながら、「りんご」「かき」「かき」と口に出して言ってみてください。どうですか?これは、冒頭3小節目のリズムです。
タイがつくので、正確には違いますが、これで随分と楽に譜読みができるのではないかと思います。ぜひ、試しに練習に取り入れてみてくださいね。
番外編
皆さん、con sordinaという表示にきづきましたか?この曲の楽譜の始まりにあります。これは、コンソルディーナといって、1番左側にあるペダルを踏んで、音を弱くすることです。
経験的に、音を弱くするために左のペダルを踏むことはありましたが、楽譜の指示でお目にかかることは、なかなかないものだったので、見つけて嬉しくなった次第です。『月の光』の静かな世界観を表現するために、効果的に使うことができたら、もう初心者ではなく、ワンランクアップした演奏者になっていることでしょう。
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